1960年代の帰還事業で、日本から北朝鮮に移民したパク一家は、平壌で幸せに暮らしていた。だが、突然父が政治犯の疑いで逮捕され、家族は全員、悪名高き政治犯強制収容所に送還されてしまう。過酷な労働を強いられ、厳しい生存競争のなか、長男のヨハンは次第に純粋で優しい心を失い、他人を欺く一方、母・ユリと妹・ミヒは人間性を失わず倫理的に生きようとしていた。そんなある日、愛する家族を失ったヨハンは絶望の淵で“生きる”意味を考え始める。やがて彼の戦いは他の収監者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる……。