マロニエの別れ道

The Walking Stick
1970
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デボラ・デイントン(S・エッガー)は小児マヒの後遺症で左足が悪く歩行杖の助けがいる生活であった。医者一家の家族と違い、デボラだけはもう七年半もロンドンの有名な美術品競売会社ウィッティングトンの事務所に勤めていた。足が悪いためボーイ・フレンドもあきらめていたが姉セーラ(B・ターナー)のパーティーで若い画家リー・ハートリー(D・ヘミングス)と知り合い、次の日曜日リーの執ような誘いを断り切れず一緒に映画を見に行く。その帰り「ロンドンの裏口を見せたい」というリーについて彼のアトリエに行ったデボラは二回三回と会ううち心がほぐれリーの求めに応じてモデルになるようにもなった。リーのパトロン、ジャック・フォイル(E・ウィリアムズ)に初めて会った競売場で、リーには別居中の妻があることが分って、付き合うことをやめようと思うが、リーの言い分けや、フォイルの執り成しで二人は仲直りした。その後デボラはアトリエに越して行き、楽しい日々が続いた。二人の生活のためロンドン郊外に美術品店を持とうと計画を立てるが、その資金のことでリーがとんでもないことを言い出した。それはデボラの勤め先ウィッティングトンの金庫破りの計画であった。初めは相手にしなかったデボラも、リーへの女心によってついに手引きまでも承知してしまう。強盗は成功した。二人の夢も間もなく実現されようとしていた。そんなある日、リーの話では居ないはずの実母がアトリエを訪ねて来たことで、デボラの心にリーへの不信感が芽生えてきた。さらに金庫破りの黒幕は実はフォイルで、デボラに近付いたのもすべて計算づくではないかと思われて来た。リーと対決したデボラに向ってリーは自分の非を認めるが、君への愛だけは信じてほしいと訴えた。デボラもリーを愛していたがその愛に甘えて生きる気にはなれなかった。彼女は警視庁にウィッティングトン事件につき手紙を送ると再び歩行杖の生活に戻っていった。

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