ピアノを弾くことが好きなヴァンパイア、サシャ(サラ・モンプチ)は吸血鬼一族のなかでただ一人、感受性が豊かすぎて人を殺すことができないという致命的な問題を抱えていた。自ら人を手にかけることはせず、生きるために必要な血の確保を親に頼り続けている。両親はサシャを、血気盛んないとこのドゥニーズと共同生活を送らせることにする。血液の供給が断たれたサシャに、ドゥニーズは自分で獲物を狩るよう促すが、サシャには人を殺すことができない。心が限界を迎えたときに、自殺願望を持つ孤独な青年ポール(フェリックス・アントワーヌ・ベナール)と出会う。学校でいじめを受け、どこにも居場所がないと感じているポールは、自分の命をサシャに捧げると告げるが……。