物語は、チョウ・ヒュクレという男(ユン・チェムン)が漢江(ハンガン)の橋の上に、危なげにたたずんでいるシーンから始まる。無防備に映し出された彼をとらえているのは、ソウル市内に点在する監視カメラ。失業中のチョウ氏は、金に困り次々と犯罪を犯してゆく。最初は小さなものから、次第に人を傷つけることも厭わなくなってゆくチョウ氏は、相棒の大女(コ・スヒ)とともに、犯罪に歯止めが効かなくなってゆく…。どん底に堕ちてゆくチョウ氏とその周りの人々の“狂気”を、ソウル市内に点在する監視カメラが映し出す。未知のソウルの“リアル”な映像は、時間が経つにつれてどんどんと崩壊してゆく。