25歳の書店員・春(小川あん)は、道を尋ねるふりをして、駅前のベンチに座っていた中年女性の雪子(中村優子)に声をかける。春は、雪子の顔に浮かぶ悲しみを見過ごせなかったのだ。一方で春は中年男性・剛(眞島秀和)を尾行しながら、その様子を確かめる毎日を送っていた。春にはかつて子どもだった頃、街中で見かけた雪子や剛に声をかけた過去があった。春の行動に気づいた剛が春の職場に現れ、春自身も再び雪子に声をかけたことで、それぞれの関係が動き出していく。2人と過ごす日々の中で、春は自分自身が抱える母親への思い、悲しみの気持ちと向き合っていく……。