電気工事の職人である父親・寅吉(野上正義)の仕事を手伝う熊太郎は、テレビの時代が来ると信じ、大学に進学すると電波の研究をしていた。そして、海軍の無線班に入り、乗っていた輸送船とともに魚雷に沈んだ。寅吉は、太平洋戦争で戦死した一人息子の死を未だ受け入れない。熊太郎の許嫁・渚(観音崎まおり)は、帰らぬ熊太郎への想いを歌に託して歌い続ける。寅吉と渚は熊太郎の夢を実現するため、電波の届かぬ村にテレビを映す共同アンテナを建てようと、山々に電波を探し、村々をテレビ購入の契約を取りに回る……。