失楽園

失楽園
1997 · ドラマ/ラブロマンス · 日本
119分
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出版社の敏腕編集者だった久木祥一郎(役所広司)は、ある日突然、編集の第一線から閑職の調査室配属を命じられた。そんな久木の前に、彼の友人・衣川(寺尾聰)が勤めるカルチャーセンターで書道の講師をしている松原凛子(黒木瞳)という美しい人妻が現れる。彼女は“楷書の君”と呼ばれているほど折り目正しく淑やかな女性だったが、久木の強引でひたむきな恋の訴えに、やがて彼を受け入れた。そして、週末毎に逢瀬を重ねていくうちに、凛子はいつの間にか性の歓びの底知れない深みに捕われていく。ふたりの関係は次第にエスカレートしていき、凛子の養父が死んだ通夜の晩、久木にせがまれた凛子は、夫や母親の眼を逃れて喪服姿のままホテルで密会した。凛子は罪悪感にさいなまれるが、それはかえってふたりの気持ちを燃え上がらせる。やがて、久木は密かに都内にマンションを借り、凛子との愛の巣を作り上げた。しかし、そうした大胆な行動は隠し通せるものではなく、凛子の夫・晴彦(柴俊夫)は興信所の調査で妻の不貞を知る。晴彦はあえて離婚しないことで凛子を苦しめようとし、一方、久木の妻・文枝(星野知子)は静かに、しかしキッパリと離婚してほしいと要求した。家庭や社会からの孤立が深まっていくなか、それでもふたりは逢うことを止めようとはせず、世間並みの日常が失われていく分だけ、ふたりだけの性と愛の充足は純度を増していく。

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