終活アドバイザーのバイトをしている不登校の女子高生・咲(岩本蓮加)は、一緒に働く老紳士・敬三(宝田明)と共に、さまざまな境遇の人々の「終活」の手助けをしている。危険と隣り合わせの職業で万が一のために家族に遺書を残そうとする者や、余命わずかで思い出を残そうとする者たちに寄り添う日々。そんな最中、咲の担任でかつて国語教師であった南雲は生徒からのイジメに遭い、教師をやめて自暴自棄の生活をおくっていた。咲は家にひきこもる彼女を訪ねては、その様子をうかがっていた。一方で、イジメの張本人の女子生徒を待ち伏せして自分の気持ちをぶつけたりもするが、彼女の中のやるせない気持ちは消えることはなかった。自身も不登校で行き場を求めている咲に、敬三は病気で老い先短い妻(吉行和子)とかつて見た桜の下での思い出を語る。咲は敬三たち夫婦を励まそうと、敬三がかつて見たという桜の木を探しに出かける。