パラダイス・ロスト

パラダイス・ロスト
2019 · ドラマ · 日本
106分
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東京郊外の人気のない場所。心臓発作で倒れた1人の男が死亡する。彼の名は山口慎也(江藤修平)。仕事はネットの古本屋で、原民喜の小説と木下夕爾の詩を好んでいた。妻の亜矢子(和田光沙)は彼の死後、夢で慎也に会い、彼の残したノートの言葉を読み、時には彼がそばにいると感じることがあった。それから一年が経過。亜矢子の周りには、今は北海道で暮らす友人の佐々木ユキ(小原早織)、その恋人の川村講平(木村文洋)、慎也の母・信代と異父弟の翔(我妻天湖)がいた。翔は芸大を目指す受験生で、亜矢子に好意を抱いていた。映画監督である講平の頭の中には、自分が撮ろうとする映画の登場人物になったユキがいる。亜矢子は、仲間とデモから戻る途中の翔に偶然会い、その優しさに触れる。同じ日、北海道から戻ったユキが講平とごちそうを作り、亜矢子の三十歳の誕生日を祝う。その夜、ある空き家の庭にいた翔は、慎也の気配を感じてキャッチボールをする。亜矢子のことを“好きだ”と告白して投げたボールは、慎也ではなく、ある男の手に届く。その男が彷徨う地上には、原民喜の『心願の国』を読む慎也の声が響いていた。

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