孤独を抱えて生きてきたズーは、アルコール依存症のリハビリテーション・プログラムを受けていた。そこに、祖母が突然亡くなったという電話が入る。アパートへ向かったズーは、長らく疎遠になっていた自閉症の妹・ミュージックと再会する。ミュージックの頭の中はいつも音楽が鳴り響き、色とりどりの世界が広がっていた。近しい親戚もいないズーにしてみれば一時的にも共に暮らすほかないが、周囲の変化に敏感なミュージックに途方に暮れてしまう。ミュージックがパニックを起こしたとき、アパートの隣人・エボが現われる。彼はズーにミュージックの感じ方や祖母との暮らしの様子を伝え、折々で手を貸すのだった。次第に3 人で過ごす穏やかな日々に居心地の良さを覚え始めたズーは、自分の弱さと向き合い、少しずつ変わろうとしていくが……。