氷上乱舞

Thin Ice
1937 · ラブコメディ · アメリカ
79分
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隠れたるスケートの天才リリ・ハイザーはスイスアルプスのサン・クリストフ村のホテルのスケート教師である。ウインター・スポーツのシーズンが来ても降雪がなく、弱りぬいている時、某公国の公子が数十名の一行を引き連れて投宿するという吉報。折しも大雪が降って、公子到着の朝は理想的な積雪状態。サン・クリストフは一時に蘇った。その夜リリはホテルから帰るのに、公子の自動車運転手旧友だったので、その自動車で送ってもらった。それを見付けた女友達は公子ルドルフがリリに恋をなされた、と早合点してたちまち村中がこの噂で持ちきり。知らないのは当人たちばかりだった。その朝リリはスキーに出掛けて、一人お忍びでやはりスキーに来た公子とゲレンデで逢った。そして二人は一目で恋し合った。公子はわざと新聞記者ルーディと名乗り、明日を約して別れた。一方、リリが公子の想い者になったという噂を聞いたホテルの支配人は、早速リリをホテルの最上等の一室に招じ、宣伝を始める。公子ルドルフを口説き落として有利な条約を結ぼうと暗躍しているA国の特使男爵とB国の特使伯爵は、まず馬を射よ、の筆法で競ってリリに贈り物を捧げる。何が何やらわからぬリリは、どうしたら良かろうかルーディに相談する。公子はリリが本当に何も知らずに、彼を新聞記者と思い込んでいて愛してくれていることがわかったのでますますリリをいとしく想い、構わないから皆のするがままに任せておくがいい、と教える。支配人の宣伝は奏効し、世界中の新聞が「公子とスケート教師の恋」と書き立てたので、ホテルは千客万来の大景気となる。リリはその新聞を見ると驚いて、自分の愛人は公子ではなく一新聞記者のルーディだと言明する。余り騒ぎが大きいので公子の身の上を気遣って総理大臣が迎えに来るが、時すでに遅く公子ルドルフはリリと結婚すべく決意していた。リリは新聞記者だとばかり思っていたルーディが、公子だったことを初めて知って夢に夢見る心地で、天晴れ公妃様になることになった。その喜びを胸に抱き、リリは銀盤にスケートの妙技をふるい、拍手喝采の波につつまれたのであった。

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