オ・ドング(リュ・ドックァン)は港街・仁川に暮らす高校生。ぽっちゃり太めの男の子だが、その心は女の子。いつか憧れのシンガー、マドンナのような完璧な女性になって、大好きな日本語教師に告白することが夢だった。だが、ドングの夢を応援してくれるのは親友ぐらい。元プロボクサーの父親(キム・ユンソク)は、酒浸りで家の中でも外でも暴力沙汰が絶えない。まだ若い母(イ・サンア)は、そんな父に愛想をつかして家を出て行った。弟とも会話はなく、ドングは、自室でひとり鏡に向かって化粧の練習をする日々。さらに、本物の女性になるための性転換手術費用を貯めようと、港での力仕事のバイトに明け暮れる。