19世紀のヨーロッパの片隅にある小さな町に、対照的な二組の家庭があった。一方は、お金はあるものの、粗野で家柄の悪さも災いして上流社会に仲間入りできないネル(声:トレイシー・ウルマン)とウィリアム(ポール・ホワイトハウス)のヴァン・ドート家。もう一方は、代々上流階級の出で家柄は立派なものの、お金はとうに底を突き、家柄と社会的地位だけしか残っていないモーデリン(ジョアナ・ラムリー)とフィニス(アルバート・フィニー)のエヴァーグロット家。ヴァン・ドート家に息子ヴィクター(ジョニー・デップ)がいると知ったエヴァーグロット夫妻は、娘のヴィクトリア(エミリー・ワトソン)を彼と結婚させようと狙う。成金でも金持ちにはちがいない、というわけでセレブ返り咲きを狙う夫妻だが、当のヴィクターとヴィクトリアは一度も顔を合わせたことがないのだった。