1963年、晩春。早朝の大宮駅と赤羽駅に、それぞれが<夢見る卵>である四人の若者がいた。漫画家の村岡栄介(二宮和也)、歌手の井上章一(相葉雅紀)、画家の下川圭(大野智)、小説家の向井竜三(櫻井翔)。彼らはある計画を実行しようとしていた。その計画とは、栄介が癌に侵された母・きぬ(松原智恵子)を郷里の富山から東京の大病院に入院させるために考えたものだった。若者たちはみな東京の阿佐ヶ谷で暮らしていた。栄介は行きつけの喫茶店『SHIP』で求人広告をメモしていた竜三、食堂で無銭飲食をしようとした圭、栄介が住むアパートの隣人である章一にアルバイトとして医者に扮してもらい、東京に行くことを嫌がるきぬを病院まで送り届ける手助けをして欲しいと頼んだのだ。