アメリカには保険に加入しない市民が4700万人も存在する。WHO(世界保健機構)の調査ランキングで、アメリカの健康保険充実度は37位。映画監督マイケル・ムーアは、アメリカの健康保険制度が悪化していった事情を振り返る。その背景には、利益率アップを目標にする民間保険会社、そして彼らから高額の献金を受け取る政治家たちの姿がある。更に彼らは、公的医療保険制度の導入は社会主義への第一歩だと恐怖を煽り、現在の制度がベストであることを国民に刷り込んだ。保険会社は、自分たちに有利な法律が通るように政治家に大金を注ぎ込む。彼らの「目的」を果たし、都合のいい法律を通した政治家は、保険会社のトップに天下りをして年収2億円以上を稼いでいる。こうして一部の政治家と保険会社のトップが儲かるために、毎日のように一般人は命を落としていく。