〔Part1〕〈フロレット家のジャン〉1920年代のフランス、プロヴァンス地方。マルセイユに近い町レ・バティード・ブランシュ。兵役を終えて帰って来たウゴラン・スベラン(ダニエル・オートゥイユ)は、伯父のセザール(イヴ・モンタン)の家の近所に住居を定め、念願のカーネーション作りを始めた。“パペ”と呼ばれ、土地の権力者であるスベランは、結婚もせずに独りで暮らしているが、たった一人の後継者である甥のウゴランへの協力には全力を傾けた。カーネーション作りに必要な水は、隣接したカモワン家の土地にある泉が最適だった。その土地の後継者であるマリウス(マルセル・シャンペル)に、その土地を売ってもらおうとパペとウゴランが相談をもちかけたところ、マリウスは頑固に拒絶し、勢いあまったパペは、カッとなって彼を殴り殺してしまった。