頭痛の原因である“電波”の専門医を探すよう、薬局のお婆さんに教えられた38歳のサラリーマンは、とあるラジオ局を訪れる。だが、受付嬢に案内され迷路のような局内を歩くうち、彼は夢幻の世界に迷い込み、会社をリストラされ地下廊下で八百屋を営む兄や、気の短い豆腐屋、幼い頃の初恋の少女、幼い記憶の中の父らと遭遇する。ようやく、医務室へと辿り着いたサラリーマン。そこで彼を産み落とす前の母と思しき女医と出会った彼は、頭にバネをつける手術を施され、頭痛から解放される。