大正12年。北海道留萌線明日萌駅駅長・常盤次郎は、待合室に置き去りにされていた赤ん坊に萌と名付け、彼女を1年前に他界した妻の生まれ変わりと信じ育てた。それから11年、昭和10年の冬。12歳になった萌は、雪に埋まって鉄道事故に巻き込まれそうになったところを秀次という青年に助けられる。だが、彼は父親殺しで指名手配中の身の上だった。命の恩人である秀次に憧れを抱く萌は、彼がそんな人間だとは信じられない。そこで次郎に懇願し、彼を留萌の鰊番屋へ逃がしてもらう。