20世紀のローマ。今しも、ある貴族の館でコンサートが開かれようとしていた。当夜の主役、トゥリオ伯爵(ジャンカルロ・ジャンニーニ)は社交界にゴシップを提供している男だった。妻のジュリアーナ(ラウラ・アントネッリ)とは結婚して数年たつが、愛はさめていた。彼は、ここしばらく、男を虜にせずにはおかない未亡人の公爵夫人、テレザ(ジェニファー・オニール)に夢中だった。そして、ジュリアーナにしばしの別れをつげ、テレザを連れてフィレンツェへと旅立った。