その世にも奇妙な事件は、妖しい霧が立ち込めるクリスマス・シーズンの田舎町アヴェショーで起こった。地元の純真な少女アンナ・ルーが、教会に行くため自宅を出て間もなく、忽然と姿を消したのだ。捜査の指揮を執るため、都会からやってきたヴォーゲル警部(トニ・セルヴィッロ)は、目撃情報も物証も一切ないこの事件を、何者かによる誘拐だと断定。メディアの好奇心をあおってセンセーションを巻き起こす独特の捜査を進めていく。やがて、捜査線上に浮かび上がったマルティーニ教授(アレッシオ・ボーニ)を容疑者と見なし、追いつめていくヴォーゲル。だが、正体不明の連続誘拐魔“霧の男”に関する情報がもたらされ、ヴォーゲルの“完璧なる捜査”は、根底から覆されていく……。