川崎の工業地帯。幼い頃から人前で話したり笑ったりすることが苦手な佐巻アトム(野村周平)は、極貧の母子家庭育ち。母と思春期の妹ウラン(優希美青)と暮らしながら、不用品回収業のアルバイトで生計を立てていた。そんなある日、母が事故に遭い、重傷を負ってしまう。家計の苦しさから保険料を滞納していた一家に向かって、ソーシャルワーカーの冷淡な声が響く。“自己責任って聞いたことあるでしょ? なんでもかんでも世の中のせいにしちゃダメだからね”。毎日のように心無い言葉を投げつけられていたアトムは、偶然ラップと出会ったことで、バカにされながらも夢に向かって歩み始める……。