橋本香織(伊藤歩)は東京の出版社で、契約記者として働く25歳。清純派女優のスキャンダルをスクープし、正社員確実との喜びもつかの間、写真を撮られた女優が自殺未遂を起こし、地元・下関に近い福岡のタウン誌に異動を命じられる。そこでの仕事は、読者が投稿してきた<懐かしマイブーム>の取材。その中に届いた一通の葉書に、「昭和30年代終わりから40年代中ごろまで、下関の映画館にいた幕間芸人を探して欲しい」というものがあった。「素朴な芸ながら、人情溢れるその舞台に心が和みました。世知辛い世の中にもう一度、あの至福の時間を過ごせたら」と結ばれた葉書に香織は心惹かれ、その映画館<みなと劇場>を取材する。