平安朝時代。時の権力者堀川の大殿は、天才絵師良秀に無量寿院の壁面を極楽図で飾るよう命じた。しかし良秀は、現実を地獄より地獄的とするような絵を描き、大殿を始終憤怒させていた。それほどにまで真実を求めてやまない良秀。彼が情愛を寄せるのはこの世にただ一人、娘の良香だけだった。ある日、良秀は良香と恋仲の弟子弘見を破門した。良香は嘆き悲しみ、可愛がっている猿とともに弘見の後を追った。