古くからカーボ・ヴェルデ諸島出身のアフリカ系移民が多く住む、リスボン北西郊外のフォンタイーニャス地区。ヴェントゥーラは、貧困・ドラッグ・暴力が猛威を振るうこの地に34年間住み続けている移民労働者のひとりであった。しかし、地区開発に伴い、住民たちはカサル・ボバ地区に建てられたばかりの近代的な集合住宅へと強制移住させられている。ヴェントーラの妻は、二階の窓から家具を投げ下ろし、家を出て行ってしまった。