映画が誕生して以来のもっとも大きな衝撃と改革であるヌーヴェル・ヴァーグとは、多くの映画を見ることで映画を作り始めたシネフィルたち、すなわち映画の新世代である。批評家であると同時に監督である彼らが生み出した、書くことと撮ることの相互作用によるユニークな作品群は、映画史最初のムーヴメントであり、現代人が生きる世界を現在形で様式化したものだった。1959年5月、カンヌ国際映画祭で上映された「大人は判ってくれない」はセンセーショナルを巻き起こす。