端役専門の役者・宮松(香川照之)は、時代劇に出ては弓に射られ、ある時は大勢いるヤクザの一人として路上で撃たれ、またある時はヒットマンの凶弾に倒れるなど、来る日も来る日も撮影で殺され続けている。派手さはないものの慎ましく静かな日々を過ごす宮松だったが、彼には過去の記憶がなく、何が好きだったのか、どこで何をしていたのか、自分が何者だったのか、わからない。何も思い出せない彼は、毎日数ページだけ渡される主人公ではない人生を演じ続け……。