ピンク映画業界が斜陽の一途をたどる中、ピンク映画業界で生きる監督・栩谷(綾野剛)はもう5年も映画を撮っておらず、アパートの家賃を支払うのにも困り、制作会社の事務所に居候させてもらっている。梅雨のある日、大家の金昌勇(マキタスポーツ)は彼に、金が所有する取り壊し予定のアパートに居座り続けている伊関(柄本佑)に立ち退きを説得してほしいと頼んできた。雨に濡れながらその古アパートに向かい伊関と話すうちに、伊関がかつて脚本家志望でシナリオを書いており、二人は同じアダルトビデオ制作会社に関わったことがあることが判明。打ち解けた二人は、自分たちの愛した女について語り始める。二人が愛したのは、同じ祥子(さとうほなみ)という女優であった。3人がしがみついてきた映画への夢が崩れていく中、それぞれの人生が交錯し……。