残り少ない人生を前に書かれたベートーベンの1通の手紙。その手紙が一人の女性の元へ届く。聴力を失った青年ルードヴィヒが、絶望の中で死と向き合っていたまさにその夜。吹きすさぶ嵐の音と共に見知らぬ女性マリーが、幼い少年ウォルターを連れて現れる。マリーは全てが終わったと思っていた彼に、また別の世界の扉を開けて去っていく。新しい世界で、新たな出会いに向き合おうとするルードヴィヒ。しかしその全ては、また新たな悲劇の始まりとなる……。