現代の東京。銀行員の木村陽介(にわつとむ)が30歳の誕生日を迎えた朝。自宅マンションのベッドで目覚めると、部屋には2人の見知らぬ男たちが佇んでいた。“逮捕”を告げにきたと語る男たちだったが、その罪状は不明。木村が無実を主張すればするほど、蜘蛛の巣のような“システム”に絡め取られ、ますます身動きができなくなっていく。ここから抜け出す方法はあるのか?救いを求めてあがくものの、期待はことごとく外れていく。やがて、出口のないこの迷路の終焉に気づき始める木村だったが……。