ヨーロッパとアジアを分かつマルマラ海のイムラル島拘置所、1980年秋、仮出所を許された囚人たちが、喜びの面持ちでそれぞれの目的地に向かう。仮出所の日数は約5日。期限内に戻らぬ者は、脱獄者として家族や類縁をまきこむ重刑が待っている。限られた5日間だけの自由だが、それぞれは最大限に有効に使おうとはりきるのだ。コンヤ市内の父の家に戻ったセイット(タールク・アカン)は、父が若妻をめとって弟が生まれていることを知り驚くが、何よりも迎えてくれるべき妻のジネ(シェリフ・セゼル)と息子の姿が見えないことを不思議に思った。