ドイツで将来を嘱望されたピアニスト・ユジュンはスランプになり、実家のある韓国へ静養のため帰国する。編入した音楽大学を歩いていると、ふと聞こえてきた美しいメロディに魅かれ、練習室を尋ねる。そこで古いピアノを弾いていたのは、同じ3年生のジョンアだった。初対面にもかかわらず、目が合った瞬間、運命の音に導かれるように惹かれ合うふたり。その日から毎日お互いを探し、逢えた日は一緒に過ごしていた。息のあった連弾、散歩からのデートにはじまり、ピアノバトルに出たり、CDショップで好きな曲を聴かせあったり、自転車を二人乗りしたり、おうちデートで食事したり、コンサートに行く約束をしたり……。出会ってまもなくとも、すでにお互いがなくてはならない存在となる二人。しかし、ある日を堺に、ふたりは突然会えなくなってしまう。あらゆる手を尽くしても、なんとかしてまた会いたいふたり。そんななか、1本の電話をきっかけに、彼女がいる場所に向かって走り出す彼。そして彼女もまた、彼の元へと向かっていた。