香港の厳格な孤児院で育ったジョン・ロッシは幼い頃、手先が器用なことが災いして目の前で初恋の少女を失った。その忌まわしい思い出を胸に刻んだまま大人になった彼は、サイモン・テンプラー(ヴァル・キルマー)と名乗る。彼は富豪になることを夢見て、得意の変装と華麗なテクニックで怪盗となり、国際的なお尋ね者となっていた。ロシア帝国を復活させ、最初の皇帝として君臨しようと野望を抱く石油王のイワン・トレティアック(レード・セルベッジア)の金庫からマイクロチップを奪ったサイモンは、凶暴なイワンの息子イリヤ(ヴァレリー・ニコラエフ)との死闘の末に、隙を見て逃亡に成功。得意の変装でモスクワを脱出した彼は、その後、再び変装してイワンと取り引きするが、低温核融合の方程式を完成した女性科学者エマ・ラッセル博士(エリザベス・シュー)から方程式を盗み出すよう、逆に新たな依頼を受ける。