焼けつくようなブラジルの太陽の下を、身にあまるような大きな木の手製の十字架を、引きずるように歩いている男があった。彼はゼフェリノ(L・ビラール)という若い農夫で、一緒にいる女は彼の妻である。農夫はかわいがっていたロバが瀕死の重傷を負い、医者も祈祷師も見放した時サンタ・バルバラ寺院に願をかけた。“ロバがなおったら、等身大の十字架を背負って教会まで徒歩でお参りする”と。そして今、その約束を果たすため、サンタ・バルバラの前へ、やっとのことで着いたが…。