カンボジア、1975年4月。武装組織クメール・ルージュによるプノンペン占領を境に、多くの住民が強制労働のため農村に送られる。一家で農村へ移動する道中、3歳の息子ソヴァンと離れ離れになってしまった母親のチョウ(声:べレニス・ベジョ)。農村での革命組織(オンカー)の監視による苛酷な労働や理不尽な扱いは、彼女と夫クン(声:ルイ・ガレル)を、そして共に生活する家族を一人、また一人と追い詰めてゆく。息子と会えぬまま時は流れ、絶望と苛立ちに襲われながら慎重な夫クンにも心ない言葉をぶつけてしまうチョウ。だが、彼女は最愛の息子を取り戻すために生き延び、決して諦めないことを心に誓うのだった……。