1949年、フランスの片田舎。失業中の音楽教師クレマン・マチュー(ジェラール・ジュニョ)は、「池の底」という名の寄宿舎に赴任する。この学校には、親をなくした子供や、素行に問題があり親元を離れた子供たちが集団生活していた。暗い瞳の子供たち。赴任当日、校門の前でマチューが目にしたのは、「土曜日に迎えに行く」という言葉を残して去っていった両親を待つ幼い少年ペピノ(マクサンス・ペラン)だった。今日が何曜日か分からないほど幼いペピノは、決して迎えに来ない両親をひたすらに待ち続け、毎日のように校門の外をじっと眺めているのだった。複雑な思いを抱いたまま学校内に足を踏み入れたマチューは早速、過激ないたずらで用務員に大ケガを負わせた子供たちと遭遇する。さらに、驚いたことにそこには「淋しさ」ゆえに心のすさんだ子供たちに、容赦ない体罰を繰り返す校長先生(フランソワ・ベルレアン)がいた。学校全体が、温かさのかけらもない殺伐とした雰囲気で溢れかえっていた。