津波と原発事故発生の翌日には避難が命じられ、無人の土地にされたはずの20km圏内の地域。2011年の春、大地の営みはなんら変わらず、春の訪れとともに桜が咲き誇っていた。そんな美しい四季を誇る故郷に、もう住めないだろうと言われている。その現実に直面した人々は、生活と文化と歴史を奪われた。原発から40km離れていたにもかかわらず、大地をひどく汚染された飯館村も、故郷を離れる時が刻一刻と近づいていた。破壊された風景と、それでもそこに住み続ける人々をカメラは見つめ、その真実の声を拾っていく。