デデ(パトリック・ブシテー)とシモン(ジャン・フランソワ・ステヴナン)はともに40歳になろうとしているのに、いまだに不良少年のような生活を送っている。定職にも就かず妹夫婦の家に転がり込み、ジミ・ヘンのギターとアメリカにいかれている脳天気なデデ。夜勤の職にこそ就いているが昼間はデデとつるんで酔っぱらっている寡黙で内気なシモン。2人の性格は正反対だが、なぜかうまがあう。酔っぱらい、女をからかい、ケンカをし、娼婦と抱き合う馬鹿騒ぎの毎日に、シモンは小さな不安を覚える。実は彼らには人に言えない秘密があった……。彼らにはある夜、病院から若い女の死体を盗んで交代で死姦をしたという過去があった。だが、シモンは哀れで美しい死体に恋してしまう。彼らは月光の輝く海に死体を運び、シモンは彼女を抱えて波間に流す。一瞬、彼には人魚になった彼女が見えた気がした。