ボクシングの後遺症で視力が落ちていっている駿一(尾関伸嗣)は仕事を続けられるか、不安を覚えている。そんなある日、認知症の父(鈴木一功)が訪ねてくる。虚実曖昧な話を聞き、実否を知るため父を尾行すると愛人の翔子(烏丸せつこ)と知り合い、腹違いの兄の存在を知る。兄、正成は9・11の被害者だと言う。視力を失う前に駿一は己にまつわる秘密をひも解こうとするが、そんなかれに9・11の暴力の記憶が重くのしかかってくる-。