幼い娘を置いて、岸辺からボートに乗って行ってしまったまま、戻ることはなかった父。 遠い日の父の面影を求めて、娘は父と最後に別れた場所である岸辺を訪れ続ける。少女から大人へ、そこはまた彼女の成長を記す場所でもあった。繰り返される四季。移り変わる自然。それでも変わらず、娘は岸辺に立ち止まり、父を想う。そうして時は過ぎ、そのひたむきな強い想いは、ある奇跡を起こす。