マリー(C・ドヌーブ)がジェローム(P・ノワレ)と結婚した最大の目的は、ノルマンディの田舎町を離れて夫と一緒にパリに移り住むことだった。しかしジェロームは、いっこうにそんな気配を見せないばかりか、田舎での生活に満足しているらしい。そんな夫がマリーには、いらだたしかった。一九四四年六月四日、すなわち、連合軍のノルマンディ上陸作戦の前夜のこと。マリーは納屋でジュリアンという若者を見つけた。