夏の暑い昼下がり。荒れ果てた野原にそびえ立つ巨大な廃ホテルは、子供たちの恰好の遊び場だった。古い階段を駆け上がる12歳の由美子、武、知恵、智彦、綾、信久たちは、仲のいい友達同士だった。由美子が“親指さがし”をしようと言い出し、輪になって手をつないだ6人は、最後の呪文に合わせて手を振り下ろす。次の瞬間、知らない部屋へ紛れ込んでいた武は、親指を捜し始める。そのとき突然由美子の悲鳴が聞こえて来た。