ジャイブ 海風に吹かれて

ジャイブ 海風に吹かれて
2008 · ドラマ · 日本
109分
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かつてニシン漁で栄えた歴史ある小さな港町である、北海道・江差(えさし)。東京でIT企業を経営する哲郎(石黒賢)は、祖父のお葬式にも出られないほど多忙な日々を送っていた。だが、共同経営者の前島(山口馬木也)の裏切りに気が付いてしまう。折しも、亡き祖父(大滝秀治)の四十九日の法要があり、久しぶりに故郷・江差へと帰ることした彼は、実家近くの港で、偶然、高校時代の同級生・由紀(清水美沙)に再会する。由紀は地元漁協で経理をする平凡な毎日を送っていた。再会した二人は酒を呑みつつ、20年前の思い出を懐かしく語り合う。その帰り道、由紀は、「いつか○○してやる!!」と夢をたくさん持って期待に胸を膨らませていた高校時代と現実との違いを寂しいとぼやく。由紀の「“いつか”って結局20年前に置いてきたまま」という言葉が、哲郎の忘れかけていたチャレンジ精神に火を点けた。ヨット部だった哲郎は、「北海道を無寄港で一周する」ことを宣言し、かつて同じヨット部の部長で今は地元商店会副理事長の勇次(富永伸一郎)の協力のもと、早速おんぼろヨットの「カモメ二世」号の調整をはじめる。地元で生活の基盤を築いている仲間たちを巻き込みながら、哲郎の無謀な挑戦が始まる。哲郎がヨットで船出したその頃、会社の部下の麻衣子(上原多香子)が、哲郎を訪ねて東京からやってきた。漁協で、由紀から、哲郎が北海道一周の船旅に出たことを知らされる。由紀と麻衣子は、お互いの哲郎との関係を訝しがりつつ、哲郎のヨットを追いかけるようにして、奇妙な二人旅を始める。哲郎のヨットでの冒険と、それを追いかけ見守る女たち。哲郎のヨットは江差の港を出て北上し、宗谷に向かう。途中、積丹半島沖で時化に見舞われたり、定置網帯の隙間をすり抜けたりと波乱万丈。残念ながら、宗谷の濃霧にやられ、無寄港とは行かず稚内に寄港。そこで由紀に連絡して祖父の位牌を届けてもらう。じつは哲郎は国後に祖父の位牌を埋めるつもりだったのだ。位牌を受け取ったヨットは再び海面を滑りだす。哲郎の冒険は果たして達成されるのか。そして由紀の想いは叶うのか。北海道の大自然を背景に、現在の北海道が抱える、避けては通れない問題、閉山した幌内炭鉱や北方領土などに触れながら、男と女の物語は意外な結末へと導かれていく。

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