ヨーロッパ大陸の東端、旧ズブロフカ共和国の国民的大作家(トム・ウィルキンソン)が語り始めたのは、ゴージャスでミステリアスな物語だった……。1968年、若き日の作家(ジュード・ロウ)は、休暇でグランド・ブダペスト・ホテルを訪れる。かつての栄華を失い、すっかり寂れたこのホテルのオーナー、ゼロ・ムスタファ(F・マーレイ・エイブラハム)には、いくつもの謎があった。どうやって貧しい移民の身から大富豪にまで登り詰めたのか?何のためにこのホテルを買ったのか?なぜ一番狭い使用人部屋に泊まるのか?好奇心に駆られた作家に対して、ゼロはその人生をありのまま語り始める。