南イタリア・カラブリア州の山深い村で、年老いた牧夫が山羊の世話をしている。牧夫は教会のほこりが病を癒すと信じて、毎日教会の床のほこりを水に溶いて飲んでいる。そんな暮らしを長年続けてきた彼は、ある晩、山羊に囲まれて息を引き取る。翌日、牧夫と入れ替わるように1匹の仔山羊が誕生する。初めての放牧で、仔山羊は群れに遅れをとってしまう。仔山羊は森で溝にはまってしまい、上ることができない。助けを求める鳴き声も、牧羊犬や人の耳には届かない。群れは仔山羊を残し、去ってしまう。