ベストセラー作家であり、自ら出版社を経営している御祖真(竹内久顕)は、妻・磯子(さとう珠緒)や3人の子どもにも恵まれ充実した日々を過ごしていたが、誰にも言えない秘密があった。ある日、帰宅途中に胸の苦しみを感じた真は、外の空気を吸うために送迎車から降りる。そのまま庭園を散歩すると結婚式が行われており、娘の将来の花嫁姿を思い浮かべた矢先、激しい心臓発作に襲われその場に倒れてしまう。意識を失いかけた彼の手には、トルストイの『復活』が握られていた。緊急搬送された病院で、医師は無情にも彼に“死の宣告”を下す。