雪の降りしきるある日。宮城県栗駒山にある山荘で、栗原市の佐藤玲子、登米市の伊藤正子、利府市の佐々木健という3人の語り手と民話研究者の小野和子による民話の語り聞かせが行われる。農家の手助けをした猿に嫁入りに行った娘が残酷な結末をもたらす物語や、ひょんな事から鼠の巣穴に入った事で富を持ち帰る話など、方言の抑揚豊かな各々の語り手が順に民話を披露。その一方で、積極的な聞き手としての姿勢を示す小野和子が民話を考察。中盤以降は、各語り手の自宅で、彼らが民話の語り手となった所以や、幼い頃の情景などを織り交ぜながら一対一の語り聞かせが始まり、人々にとってそれが如何に大切なものであったかが明らかになる。