魔の山

The Glass Mountain
1948 · イギリス
88分
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作曲家リチャード・ウイルダーは、航空隊に入って愛妻アンとの幸福な家庭を去って出征した。彼の隊はイタリア作戦に従ったが、リチャードの乗機はドロミテ山塊の一峯に墜落した。重傷を負った彼を救ったのは農夫の娘アリーダで、山中のパルチザンのヒュッテに伴った。そこは野戦病院となっており、パルチザンの一隊長である医師サンドラが、リチャードの手当をした。彼はここでミラノのスカラ座のバリトーン、テイトがやはり友ファシストの抗戦隊員として、自由と人道のために戦っているのに会った。この意気軒昂たる雰囲気の中で、アリーダの野生的な美しさは、ひとしお素晴らしく見え、リチャードはいつか彼女に強くひかれだし、彼女も彼に友情以上のものを感じるようになった。リチャードはイギリスのこと、妻アンのことを話した。アリーダも従軍中の許嫁ジノのことを語り、平和の暁には結婚する筈と告げた。彼女はまた水晶山の伝説を物語ったが、それはリチャードの空想を甚く刺激した。戦が終ると彼はロンドンへ帰り、水晶山の伝説をオペラ化すべく専念すると共に、妻アンを愛しようと努めた。アンは夫の苦しみを知って、イタリアへ行って作曲を完成するように勧めた。アンはオペラが完成すれば、リチャードが取憑かれている水晶山--魔の山の呪縛も解けようと願ったが、リチャードはアリーダと再会して、却って熱情は烈しくなった。そして復員してジノと反目し争った。リチャードはティトの勧めで、ヴェニスの音楽祭でオペラを発表する事となった。リチャードはアリーダは山と山の人々と共にあるべきだと説いたが、二人は相携えてヴェニスへ赴いた。アンが夫からの離婚の申出を、夫の親友のスコットランド詩人ブルース・マクロードに告げると、彼は直ぐヴェニスへ急行した。ブルースはアリーダに会うと、彼女とリチャードは別々の世界に属していると云って、別離が賢明であると力説した。リチャードはオペラ「水晶山」初演の夜に、アンの出席を乞う手紙を出した。アンは飛行機でアルプス越えをするとき、水晶山を見たいと操縦士に乞うた。オペラが成功裡に終わった時、ブルースはリチャードにアン遭難の電報を渡した。水晶山へ赴くリチャードに、アリーダは貴方の心を占めているのは誰だか分りましたと告げた。

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