良子が七歳の誕生日に誘拐された。警察の捜査もむなしく、彼女の行方は不明のまま、母親は心痛のあまり発狂する。父秋津四郎は職をも投げうって、良子が首にかけたゴールトンホイッスルを手がかりに、果てしない追跡をはじめた。犯人たちの卑劣な罠や幾度の障害にも、秋津はアイヌ犬鉄の命がけの活躍で危機を脱することができた。良子を思う秋津の執念に、犯人に殺されそうになったところを助けられた規子も、また、今まで職業意識に徹し、功名心だけを得ようとしていた小西刑事も、大きな感銘を受けていた。