1965年春、インドネシアは独立宣言後20年も経ちながら民衆の生活はいっこうに向上せず、街には乞食や売春婦があふれ、農民もまた貧しかった。そんな状況を背景に共産党(PKI)が次第に力を持ち始め、20年間も独占政権をほしいままにしてきたスカルノをおびやかしていた。オーストラリアの放送局員ガイ・ハミルトン(メル・ギブソン)が特派員としてジャカルタにやってきたのは、そんな右翼と左翼の対立が一触即発の不穏な政治状況下のときだった。