四月の中目黒。 桜が並ぶ目黒川沿いのマンションの1室で暮らす友人同士の堤小春と清川彩乃。共に27才。 二人は、よく働き、よく遊び、自由を謳歌したルームシェア生活を送っていた。 そんな生活に、変化が訪れる。 ある五月の休日。共にランチに出かけたその席にて、小春は彩乃から突然の妊娠の告白を受ける。そして、その子供を産む決意をしている彩乃。今の生活を続けながら子供を育てていくのは現実的ではないと反対する小春。だが、彩乃に着いて行った産婦人科医で、胎児の映像を目の当たりにし、彩乃をそばで支えていく決意を固める小春。 それをきっかけに少しずつ変わっていく彼女達の生活。 過去を振り返りながらも変化を受け入れる彼女達の、苦くも美しい10ヶ月の物語。